その他の心疾患

心房中隔欠損症 (ASD: atrial septal defect)

左心房と右心房の間の壁に穴が開いている病気です。多くの場合、幼少期には症状がなく、健康診断などで異常を指摘され診断されます。心エコーや心臓カテーテル検査で欠損孔の評価をします。成人までに無治療にしていると心房細動などの不整脈が誘発されます。
手術は人工心肺を用いて欠損孔を閉鎖します。閉鎖する手段としては、欠損孔が小さい場合は直接縫合、大きい場合は自己心膜やダクロンなどを用いたパッチを縫い付けて閉鎖します。パッチを用いた場合は、人工物があるため術後しばらくは抗凝固療法が必要な場合もあります。症例によっては小切開・低侵襲手術の適応となり小さい傷で手術が行えます。

写真1 術中写真

心臓腫瘍

7割が良性腫瘍で3割が悪性腫瘍となっています。良性腫瘍の場合は手術により摘出できれば通常の生活が送れます。悪性腫瘍の場合は原発性と転移性の2種類がありいずれも予後不良です。症状は息切れ、体重減少など心不全を伴うことが多く、左房内に腫瘍がある場合は僧房弁狭窄症の病態と同様となっている場合もあります。心エコー・CT検査が有効な検査で、腫瘍の位置や形態がわかります。腫瘍が左心系にあり、形状がポリープ状の場合は塞栓症となりやすいため、早期の手術が勧められます。手術は人工心肺を用います。腫瘍摘出術や心臓の壁や弁などに付着している場合は壁や弁の組織ごと腫瘍を摘出し、欠損孔をパッチ閉鎖、あるいは弁置換術など行います。パッチ閉鎖術や弁置換術を行った場合は、人工物があるため術後に抗凝固療法が必要な場合もあります。

写真2 腫瘍の術中写真

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