MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery:低侵襲心臓手術)

MICSとは低侵襲心臓手術の略で、出来る限り小さな傷(切開創)で特殊な手術器具を使用して行う心臓手術のことをいい、患者さんの負担を軽減することを目的に行います。頭文字をとってミックスと呼ばれいてます。

通常の弁膜症の手術や先天性心疾患の手術では胸部前面中央にある、かまぼこ板のような胸骨を縦に切開する胸骨正中切開法(20~25cm)が標準的な術式で、現在でも多くの施設でこの方法で開胸し手術が行われています。骨折と同じですから骨がくっつくまでに2~3カ月かかるといわれています。
MICSでの皮膚切開は当グループでは5cm前後と小さく胸骨は切離しません。肋骨と肋骨の間の傷だけですから術後の創部痛も少なく、また術後に胸骨への負担を避ける必要がないので運動制限も少なく早期に社会復帰が可能となります。MICSではその小さな創口より内視鏡下または直視下で心臓にアプローチして、特殊な手術器具と技術を使い正中切開で行う手術と同じことを行います。

1996年に初めて内視鏡下での右小開胸で僧帽弁手術行われ、その後の飛躍的なハードの充実、手術手技の向上に伴い患者さんに負担の少ない小開胸でのMICSがここ数年脚光を浴びてきています。すでに欧米などでは標準的に行われている施設も多いのが現状です。

MICSを行うことで通常の正中切開での手術に比べ時間を要するのは明らかですが、その時間が患者さんへ負担とならない範囲で手術を行います。小切開のために安全な手術が少しでも危険性のあるものになることは避けなければなりません。ですのですべての患者さんに適応されるものではありません。患者さんの背景(年齢、生活様式、活動性、仕事など)や病状(重症度、動脈硬化の程度、肺の病気の有無など)、手術の内容を考慮し、患者さんとその御家族と十分に話し合い、安全性を確保し手術リスクが高くならない範囲で対応しております。

MICSでの患者さんの一番の満足はやはり目に見えるところの傷の大きさや痛みの少なさにあるのかもしれませんが、美容効果は結果であり目的ではないと考えております。われわれはそのMICSがいかに体への負担を軽減しているかを実際に術後管理の中や早期に社会復帰されるという事実より感じ取ることができます。当グループでは、更なる手術の安全性や質を高める努力をしてまいります。

MICSで行っている主な疾患

など

MICSでの利点

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